2026年9月9日に発表されたiPhone Duoも、8月7日に発売されたGalaxy Z Fold8も、開いたときの画面は同じ7.6インチです。それなのに本体価格は約9万円も違います。この差は何の差なのか、と気になりますよね。
筆者のメインマシンはMac mini(M4)。スマートフォンはiPhone 15 Proを長年愛用。ものは試しとGalaxy S26 Ultraを予約購入したばかり。今回ご紹介する2モデルを購入するわけではありませんが、AppleとSamsungのアプローチや今後の展開を予習する意味でまとめてみました。
本記事でご紹介するスペックなどの数値は、すべてApple公式サイトとSamsung公式サイトの仕様ページで確認したもので、価格は2026年9月10日時点の税込です。モデルはGalaxy Z Fold8が対象で、上位のGalaxy Z Fold8 Ultraには必要な範囲でふれています。
【結論】判断は重さ・ペン・エコシステムの3つで決まります
✔ iPhone Duoが向いている人
- Mac、iPad、Apple Watchの連係を手放したくない人
- 開いた画面で映画や電子書籍を見る時間が長く、画面の欠けが気になる人
- 手書きのメモや注記を、タブレットを持ち出さずに済ませたい人
- 撮られる側に写り方を見せながら、集合写真を撮る機会が多い人
✔ Galaxy Z Fold8が向いている人
- 毎日ポケットに入れて持ち歩く人(重さと厚さが効いてきます)
- スマートフォン1台をパソコンのように使いたい人
- 海外で現地のSIMカードを挿す機会がある人
- 本体代を約9万円抑えたい人
✗ 今回はどちらも見送ってよい人
- 遠くの被写体を撮ることが多い人(どちらも望遠レンズ非搭載です)
- 今の6インチ台のスマートフォンに、画面の狭さで困っていない人
今回の選択は性能の勝ち負けではありません。「どちらの生活圏で使うか」と「毎日どれだけ持ち歩くか」の話です。
iPhone DuoとGalaxy Z Fold8の基本スペック比較表
まず主要スペックを並べます。すべて両社公式の仕様ページの数値です。
| 項目 | iPhone Duo | Galaxy Z Fold8 |
|---|---|---|
| 価格(256GB) | 36万4800円 | 26万9880円 |
| 発売日 | 2026年10月23日 | 2026年8月7日 |
| メイン画面 | 7.6インチ(1878×2670・430ppi) | 7.6インチ(1848×2448・QXGA+) |
| 外側の画面 | 5.4インチ(1398×2034・460ppi) | 5.5インチ(1972×1248・WUXGA+) |
| 画面比率 | 内外とも同じ比率 | カバー10:16/メイン4:3 |
| ピーク輝度 | 3000ニト(屋外) | 3000ニト |
| リフレッシュレート | 最大120Hz(両画面) | 最大120Hz(メイン) |
| チップ | A20 Pro | Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy |
| メモリ | 非公表 | 12GB |
| 背面カメラ | 48MP Dual Fusion メイン26mm ƒ/1.6+超広角13mm ƒ/2.2 | 約5000万画素×2 広角F1.8+超広角F1.9 |
| 望遠レンズ | 非搭載 | 非搭載 |
| ズーム | 光学品質2倍/デジタル最大10倍 | 光学相当2倍/デジタル最大10倍 |
| 動画撮影 | 4Kドルビービジョン最大120fps | 8K 30fps |
| バッテリー | デュアルバッテリー(容量非公表) | 4800mAh(定格4660mAh) |
| 動画再生 | 外44時間/内31時間 | 最大約26時間 |
| サイズ | 開:164.6×117.8×5.2mm 閉:84.1×117.8×11.3mm | 開:161.4×123.9×4.5mm 閉:81.9×123.9×9.7mm |
| 重量 | 254g | 201g |
| 防水・防塵 | IP68(最大水深6m・30分) | IP48(最大水深1.5m・30分) |
| 素材 | グレード5チタニウム+Ceramic Shield | Flex Titanium+Armor Aluminum Gorilla Glass Ceramic 3/Victus 2 |
| 生体認証 | Touch ID(サイドボタン) | 指紋センサー |
| ペン入力 | Apple Pencil(USB-C)に対応予定(年内) | 非対応 |
| SIM | eSIMのみ(デュアルeSIM) | Nano-SIM+eSIM/デュアルeSIM |
| 外部出力 | USB-C経由のDisplayPort出力(最大4K HDR) | Samsung DeX対応 |
| ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB | 256GB/512GB/1TB |
| セキュリティ更新 | 期限の公表なし | 2033年7月31日まで |
こうして並べると、画面サイズ・輝度・望遠レンズの有無・ズーム倍率はほぼ横並びです。差がはっきり出るのは、重さ、ペン、SIM、外部出力、そして価格でした。
本体|同じ7.6インチで53gの差が出ます
持ち歩くと効いてくるのは重さより厚さです
重量はiPhone Duoが254g、Galaxy Z Fold8が201gで、その差は53gです。筆者が使っているiPhone 15 Proが187gなので、Duoはそこから67g増える計算になります。
ただ、持ち歩くときにより効いてくるのは閉じたときの厚さのほうです。Duoは11.3mm、Fold8は9.7mmで、その差は1.6mm。
Samsungは「世界最軽量」という表現を、横折りタイプの折りたたみスマートフォンとの比較(2026年7月22日時点の社内調査)として使っています。ポケットに毎日入れる前提なら、ここはFold8が明確に有利です。
画面比率の考え方が正反対です
同じ7.6インチでも、設計の思想は逆を向いています。
Appleは内外のアスペクト比を完全にそろえ、開いても閉じてもコンテンツが画面いっぱいに広がるようにしました。対するSamsungは、カバー画面を10:16、メインディスプレイを4:3という別々の比率にして、閉じているときはSNSやショート動画、開いたときは映画や電子書籍、と使い分ける前提を取っています。
開閉のたびに表示が切り替わるのを嫌うならDuo、用途ごとに持ち替える感覚が好きならFold8、という選び方になります。
なお防塵性能には差があります。DuoはIP68で、Fold8はIP48。IP48の「4」は直径1mm以上の異物に対する保護を意味するので、砂ぼこりの多い場所で使うならDuo側のほうが安心材料は多いといえます。
開いた画面にカメラの穴がありません
スペックには出にくいのですが、開いた状態の見え方でいちばん差がつくのはここでした。
iPhone Duoのインナーディスプレイは、FaceTimeカメラを画面の下に埋め込んだアンダーディスプレイ方式です。Appleは「必要になるまで隠れているので、表面には視界をさえぎるものが一切ありません」と説明しています。
対するGalaxy Z Fold8のメインディスプレイには、約1000万画素(F2.2)のインカメラがカメラホールとして開いていて、Samsungも注記で「実際の表示可能領域は対角線測定値より小さくなる」としています。
穴が1つあるかないか、と書くと小さな話に聞こえます。ただ折りたたみを買う理由が「大きな画面で映画や電子書籍を楽しむこと」なら、視線の先に黒い点がないというのは毎日効いてくる差です。ここはDuoの明確な強みなんですよね。
ただし画面下のカメラ自体は高性能ではなく、ƒ/1.8で1080pのビデオ通話向けです。開いたまま自撮りをきれいに撮るなら、閉じてアウター側を使う切り分けになります。
ペン対応|今年は立場が逆転しました
ここが今回いちばん驚いた部分です。
Galaxy Z Fold8はSペンに対応しません
Foldシリーズといえば手書き、という印象を持っている方も多いと思いますが、Galaxy Z Fold8はSペンに対応していません。上位のGalaxy Z Fold8 Ultraも同様です。手書きを目的にFoldを選んできた人にとっては、今年は選択肢から外れるということになります。
ちなみに同じSamsungでも、Galaxy S26 UltraにはSペンが内蔵されています。手書きを最優先にするなら、折りたたみではなくそちらを検討するのが現実的です。
iPhone DuoはApple Pencil(USB-C)に対応予定です
逆にiPhone Duoは、Appleの仕様ページに「Apple Pencil(USB-C)に対応」と明記されました。iPhoneがペンに対応するのは初めてです。ただし製品ページのよくある質問では「対応する予定」「年内に利用できるようになります」という書き方で、発売初日から使えるわけではありません。
対応するのはApple Pencil ProでもApple Pencil(第2世代)でもなく、別売りのApple Pencil(USB-C)です。傾き検知と低レイテンシーには対応しますが、筆圧の検知はありません。線の強弱で描き分けるイラスト用途には向かず、書類への注記やスクリーンショットへの書き込みといった「指し示す・囲む・書き足す」用途が中心になりそうです。
それでも、ペンで選ぶなら今年はiPhone Duoです。去年までとは判断が逆になった、というのは押さえておきたいところです。
カメラ|どちらも望遠レンズなし。違いは撮り方に出ます

レンズ構成はほぼ同じです
意外に思われるかもしれませんが、カメラの構成は驚くほど似ています。
iPhone Duoは48MPのメイン(26mm・ƒ/1.6)と48MPの超広角(13mm・ƒ/2.2)の2眼で、望遠レンズはありません。2倍の望遠はメインセンサーの中央を切り出す方式です。
Galaxy Z Fold8も約5000万画素の広角(F1.8)と超広角(F1.9)の2眼で、望遠レンズはなし。アダプティブピクセルセンサーによる光学相当2倍ズームです。デジタルズームはどちらも最大10倍でした。
つまり遠くの被写体を大きく撮りたいなら、どちらも向いていません。望遠がいるなら、Galaxy Z Fold8 Ultra(約1000万画素・光学3倍)か、望遠レンズを積んだ通常型のフラッグシップを検討すべきです。
動画と撮り方で選ぶ
差が出るのは動画と、外側の画面の使い方でした。
Galaxy Z Fold8は8K 30fpsに対応し、アウトカメラとインカメラで同時に撮る「デュアル録画」が使えます。解像度を稼ぎたいならこちらです。
iPhone Duoは8Kには対応しませんが、4Kドルビービジョンを最大120fpsで撮れます。そしてアウターディスプレイを使った独自機能が3つあります。全員のポーズがそろったタイミングを検知して自動でシャッターを切る「スマート撮影」、撮られる側が外画面で写り方を確認できる「Duo Preview」、外画面にアニメーションを出して子どもの視線を集める「キッズキュー」です。撮影者が背面カメラでの撮影で写真に入れないという長年の不満に、外側の画面で答えている設計なんですよね。
マルチタスクと外部出力|パソコン的に使うならFold8です
Galaxy Z Fold8はOne UI 9を搭載し、2画面と3画面の分割表示に対応します。さらにSamsung DeXに対応しているので、外部ディスプレイにつなげばデスクトップに近い画面で作業できます。「Now Nudge」というAI機能もあり、メッセージのやり取りから予定の話題を検知すると、タップだけでカレンダーを分割表示で並べてくれます。
iPhone DuoはiOS 27を折りたたみ向けに再設計し、横向きのSplit Viewで2つのアプリを並べられるようになりました。縦向きでは動画を上部に固定したまま別のアプリを使えます。外部出力もUSB-C経由のDisplayPortで最大4K HDRまで可能です。ただしDeXのようなデスクトップ環境が用意されていません。
スマートフォン1台を外部ディスプレイにつないでパソコンの代わりに使いたいなら、現時点でははっきりFold8です。
価格・SIM・サポートでの違い
9万4920円の差の中身
ストレージを256GBで比べると、36万4800円と26万9880円で、価格差は9万4920円です。
この差をカメラや画面の性能で説明することはできません。望遠レンズはどちらもなく、画面サイズも輝度も同じだからです。残る差は、チタニウム筐体とCeramic Shieldの作り込み、IP68の防塵性能、穴のないインナーディスプレイ、そしてAppleのエコシステム。9万4920円をそこに払えるかどうかが、実際の判断になります。
物理SIMを挿せるかどうか
見落としやすいのがここです。iPhone Duoは世界中でeSIMのみの対応で、物理的なSIMカードには非対応。対するGalaxy Z Fold8はNano-SIMとeSIMの組み合わせ、またはデュアルeSIMが選べます。海外へ行って現地でSIMカードを買って挿す使い方を続けたいならFold8です。
なお、おサイフケータイ(FeliCa / Apple Pay)はどちらも対応しているので、ここは差になりません。
何年使えるかを先に確認する
Samsungは、Galaxy Z Fold8のセキュリティアップデートの有効期間を「2033年7月31日」と公式スペックページに明記しています。発売から約7年です。Appleは同様の期限を公表していません。実績としてAppleのサポートは長いのですが、期限が数字で出ているかどうかは、長く使う前提なら判断材料になります。
用途別おすすめ
| 使い方 | 選ぶならこちら | 理由 |
|---|---|---|
| MacやiPadと一緒に使っている | iPhone Duo | 連係機能とデータの受け渡しがそのまま使える |
| 毎日ポケットに入れて持ち歩く | Galaxy Z Fold8 | 53g軽く、閉じたときに1.6mm薄い |
| 手書きのメモや書類への注記をしたい | iPhone Duo | Apple Pencil(USB-C)に対応予定。Fold8はSペン非対応 |
| 外部ディスプレイで作業したい | Galaxy Z Fold8 | Samsung DeXでデスクトップに近い環境が可能 |
| 集合写真で自分も写りたい | iPhone Duo | スマート撮影とDuo Previewが外画面で完結する |
| 8Kで動画を残したい | Galaxy Z Fold8 | 8K 30fps対応。Duoは4K最大120fps |
| 海外で現地のSIMカードを使う | Galaxy Z Fold8 | Nano-SIMスロットがある。DuoはeSIMのみ |
| 砂ぼこりの多い場所で使う | iPhone Duo | IP68。Fold8はIP48で防塵等級が下がる |
| 本体代を抑えたい | Galaxy Z Fold8 | 256GBで9万4920円安い |
| 望遠で遠くの被写体を撮る | どちらも不向き | 2機種とも望遠レンズ非搭載。Fold8 Ultraか通常型を検討 |
まとめ
ということで、この2台は7.6インチという入り口が同じなだけで、出口はかなり違いました。
Fold8は軽くて薄く、物理SIMが挿せて、DeXでパソコンのように使えて、9万4920円安い。
Duoは重くて高いかわりに、防塵等級が上でペンに対応し、内外の画面比率が揃っていて、Appleの生活圏にそのまま入れます。性能で優劣がつく比較ではなく、自分がどちらの生活圏にいるかを確認する比較です。
筆者の場合は、正直どちらにも手が届く立場です。それでも今のところは、どちらも見送るつもりでいます。2機種とも望遠レンズを積んでいないからです。予約購入中のGalaxy S26 Ultraには光学5倍のペリスコープが載っていて、そこを手放してまで大きな画面が欲しいかというと、まだそこまでではないんですよね。10月23日にDuoが出たら、Apple Storeで折り目とヒンジの感触は必ず確かめに行きたいと思います。
ではでは...。
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✅出典
- iPhone Duo - Apple(日本)
- iPhone Duo - 仕様 - Apple(日本)
- Samsung Galaxy Z Fold8|Galaxy AI 最新折りたたみスマホ | Samsung Japan 公式
- Samsung Galaxy Z Fold8(ギャラクシーZフォールド8)スペック | Samsung Japan 公式
- Galaxy Z Fold8 Ultra | Samsung Japan 公式
- <Samsung>「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra | Fold8 | Flip8」(SIMフリーモデル) 2026年7月23日(木)予約開始・8月7日(金)発売 | Samsung Newsroom Japan