「Google Workspace解約の代替案|メール・保管場所・AIを3つにわけて年1万円以上浮かせる方法」の記事でも書きましたが、2027年1月中旬に更新となるGoogle Workspaceの継続をやめることにしました。理由は年間約2万円のコストに対して見合った使い方をしていないから。
リサーチ業務を担っていたGemini Proは、別途有料契約しないと使えなくなるのは残念ですが、「最新情報を検索して、見出しと出典つきで整理して」という定型作業に、メインで使っているClaude Proの利用枠を割くのはもったいない。
そこで、ノーコードでAIの処理を組める「Dify(ディファイ)」に、検索が得意なPerplexityのAPIと、整理が得意なGeminiのAPIをつなぎ従量課金でリサーチをすることに決定。Google Workspaceの解約までには数カ月ありますが、心の準備と安心感は大事なので、忘れないようにまとめてみました。
【結論】Difyでできること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| できること | テーマを入れるだけで、Perplexityが検索し、Geminiが見出し・要点・出典の形に整理する |
| Difyの料金 | Dify Cloudの無料プラン(Sandbox)ではじめられる |
| APIの料金 | 軽めのモデルなら1回約1.6円、月300回で約490円 |
| 必要な準備 | PerplexityとGeminiのAPIキー、それぞれのクレジット |
この使い方が向いているのは、次のような人です。
- ✔ メイン作業のAIは別に契約していて、リサーチなど軽量な作業を安く済ませたい
- ✔ 毎回同じ形式のリサーチ結果でまとめている
- ✔ APIキーの発行やクレジットの管理を、自分でやるのが苦にならない
逆に、次に当てはまる人にはあまり向きません。
- ✗ メインのAIで十分に足りているので別のAIは不要
- ✗ 取引先の機密情報など、外部のサービスに出せないデータを扱う
使い方ステップ
STEP1:Dify Cloudに登録する
Difyには、クラウド版の「Dify Cloud」と、自分のパソコンに入れる「セルフホスト版」があります。
| 項目 | Dify Cloud(Sandbox) | セルフホスト版 |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料(ソフト自体) |
| 準備 | アカウント登録だけ | Docker環境(CPU 2コア以上・メモリ4GiB以上) |
| 主な上限 | アプリ5つ、ログ保存30日、DifyのAPI呼び出し月5000回 | 自分のマシン次第 |
筆者はDify Cloudを選ぶことにします。
セルフホスト版はDocker Desktopを動かし続ける必要があり、Macの場合はDockerの仮想マシンに8GiBのメモリを割り当てるよう案内されているので、24GBのMac miniでほかの作業と並行して常駐させるのは現実的ではありません。
STEP2:PerplexityとGeminiのAPIキーを用意する
- Perplexity:管理画面でAPIキーを発行し、クレジットを購入します
- Gemini:Google AI StudioでAPIキーを発行し、請求先アカウントを連携して有料枠にします(最低5ドルの前払い)
Geminiを有料枠にする理由は、後半の注意点で説明します。ここを飛ばすと、狙いとは逆の使い方になってしまうんですよね。
STEP3:プラグインを入れてAPIキーを登録する
Difyのマーケットプレイスには、Perplexity用のツールプラグインと、Gemini用のモデルプラグインが公式で用意されています。
2つをインストールし、それぞれにAPIキーを登録します。
なお、Difyには自分のAPIキーなしで試せる「メッセージクレジット」が200付いてきますが、モデルによって消費量が違うお試し枠のようです。日常的に使うなら、最初から自分のAPIキーをつないでおくのがよさそうです。
STEP4:ワークフローを組む
「ワークフロー」を新規作成し、次の3つのノードを順につなぎます。
- 開始:調べたいテーマを入力する欄をつくる
- Perplexity(ツール):入力したテーマで検索し、最新情報と参照元URLを集める
- Gemini(LLM):集めた情報を、決まった形式に整える
実践例:ブログ記事の下調べを自動化する
Geminiのノードには、たとえば次のような指示を入れておきます。
以下の検索結果をもとに、次の形式で整理してください。
・要点(3〜5行)
・数値や仕様(出典URLつき)
・公式情報で確認できなかった点
推測で補わず、検索結果にないことは書かないでください。
「確認できなかった点」を出しておくと、あとで公式サイトを見に行くべき場所がひと目でわかります。
以前Gemに書いていた指示文も、このノードのプロンプトとしてそのまま移せるそうです。
1回あたりの料金はいくら?
公式の料金表で計算すると、次のとおりです。
| パターン | 使うモデル | 1回あたり | 月300回 |
|---|---|---|---|
| 軽め | Perplexity Sonar(検索量:低)+Gemini 3.1 Flash-Lite | 約1.6円 | 約490円 |
| 重め | Perplexity Sonar Pro(検索量:中)+Gemini 3.8 Flash | 約9.3円 | 約2800円 |
| 併用(重めは1日1回) | 重め30回+軽め270回 | ― | 約720円 |
※1ドル=160円で換算。軽めは検索の入力500・出力1000トークン+整理の入力3000・出力2000トークン、重めは検索の入力1000・出力2000トークン+整理の入力5000・出力3000トークンを想定。Gemini 3.8 Flashは2027年1月1日から値上げ予定です。
月300回も作業することはないと思いますが、重めを毎回使うと6倍近くになるので、普段は軽めでまわし、深掘りのときだけノードのモデルを切り替えるのが得策です。
Perplexity単体の実力は、Perplexity の無料版・有料版の違い。文章作成・画像生成の実力を本人に聞いてみたで試しています。
活用のコツ・注意点
Gemini APIは「有料枠」でないと学習に使われる
「APIならデータがAIの学習に使われない」とよく言われますが、Gemini APIは条件付きです。
| API | 入力・出力の扱い |
|---|---|
| Gemini API(無料枠) | Googleのプロダクト改善に使われる。人間のレビュアーが読む場合もあり、機密情報や個人情報を送らないよう規約に記載 |
| Gemini API(有料枠) | プロダクト改善に使われない |
| Perplexity API | 顧客データをモデルのトレーニングに使わない。Chat Completions APIはゼロデータ保持の方針 |
APIキーを発行しただけの無料枠のままDifyにつなぐと、学習を避けたい狙いと真逆になります。STEP2で請求先を設定したのは、このためです。
もう1つ、Dify側にも入出力のログは残ります(Sandboxは30日)。自分のAPIキーを使う場合のデータの扱いは、API提供元との取り決めによるとDifyのプライバシーポリシーにあります。本当に外に出せない情報は流さない、という線引きは変わりません。
使いすぎは「前払い」で止める
- Gemini API:前払いのクレジット残高がプラスのときだけ処理されるので、残高が尽きたら止まります。利用状況はGoogle AI Studioの「Dashboard」→「Usage」で確認できます
- Perplexity API:残高が2ドルを下回ったら自動で補充する「Automatic Top Up」は任意なので、オフにしておけば、入れた分以上は使われません
どちらも自動チャージを使わず、月に使ってよい金額だけ入れておく。プリペイドと同じ感覚で、これがいちばん確実な上限設定だと思います。
GASと組み合わせれば、ドライブの資料からリサーチして保存まで自動化できる
Difyは、Googleドライブのファイルを読み込んだり、結果をGoogleドライブに保存したりするのは得意ではありません。そこで、Googleのファイル操作はGAS(Google Apps Script)に、リサーチと整理はDifyに任せる組み合わせにする予定です。
- GAS:Googleドライブの指定したドキュメント(リサーチの手順書と書式)を読み込む
- GAS→Dify:本文をDifyのワークフローにAPIで送る
- Dify:Geminiが検索キーワードをつくり、Perplexityが検索し、Geminiが整理する
- Dify→GAS:整理した結果を返す
- GAS:結果を新しいGoogleドキュメントにして、指定したフォルダに格納する
Dify側は、ワークフローを公開してAPIキーを発行すれば、外部から呼び出せます。GASのトリガーを使えば、毎朝決まった時刻に実行させることもできます。
GASを組むときの注意点は3つです。
- 待ち時間:DifyのAPIを結果が出るまで待つ方式(blocking)で呼ぶと、100秒でタイムアウトします。長い資料を丸ごと渡さず、必要な部分に絞るのが安全です
- GASの上限:1回の実行は最長6分。無料のGoogleアカウントでは、ドキュメントの作成が1日250件、トリガーの合計実行時間が1日90分までです
- APIキーの置き場所:Difyの公式ドキュメントでは、APIキーはサーバー側からだけ使うよう注意喚起しています。GASでもコードに直書きせず、「スクリプト プロパティ」にわけて保管します
なお、Difyのマーケットプレイスには有志がつくったGoogleドライブ用プラグインもあります。
ただし認証に使うサービスアカウントは、保存容量を持たずファイルを所有できない、とGoogleの開発者向け資料に書かれているので、個人のGoogleアカウントのフォルダに結果を保存したいなら、GASを司令塔にするほうが確実なんですよね。
ということで、下調べのリサーチ業務は「安いAPIに任せる」がちょうどよい
まだDifyの設定はしていませんが、考える作業はメインのClaude Pro、定型のリサーチ業務はAPIという分担にすると、サブスクを増やさずにまわせるのでコスパ最適化ができそうです。軽めのモデルなら1回約1.6円。ただし、Gemini APIを無料枠のまま使わないこと、自動チャージをオフにしておくこと、この2点だけは最初に押さえておけばムダがありません。
Google Workspaceの解約とあわせてこの構成に切り替えた場合のコスト比較は、Google Workspace解約の代替案|メール・保管場所・AIを3つにわけて年1万円以上浮かせるにまとめています。
ではでは...
本記事の情報は2026年9月時点のものです。料金・仕様は各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。APIの料金は1ドル=160円で換算した試算です。